研究者として少し思うのですが、
我々(人文系)の研究は果たして何の役に立つのだろうか?
私は民俗学の論文の従来の研究において、現代社会に貢献した論文を少ししか見たことがありません。私の師や諸先輩方の論文は特にその社会貢献度の高いものとなっています。
そこで私もその一員となりたいと以前より思っていまして、「果たして自分の研究はどこまで社会に貢献できるのだろうか」ということをいつも胸においてきました。そこでめぐりついたのが、地域活性化という社会貢献の一つです。
私の研究は地域の生活の変遷過程における地域保健活動(「生活改善」)の実態です。そこから導き出されるのは、昭和30年代から50年代にかけての地域社会における「健康」の意義と地域行政ならびに地域住民による参画型の活動実態です。簡単にいえばこうなるのですが、詳しく話していくと話が長くなるのでここでは「地域参画型の社会構造」の再認識ができ、「地域保健活動や地域社会事業には行政住民双方の働きかけが必要であること」がこの研究からはうかがい知ることができるのです。
一方、現実の地域差焼きに目を落としてみると、現在地域行政の事業一つにしても地域住民が関わる事業はあまりにも少ない、地域行政が何をしているのかは紙面上で知る以外にはない。保健事業にしても地域検診で関わることはあっても、その情報がどのように活用され地域全体としてどう見られているのかといった全体的なことが見えてこないのが現状です。そうなれば、地域行政と地域住民との溝は大きくなる一方で、あまりに地域事業への見直しができていないのではないかと思うのです。
そこで、私の研究はどうでしょうか。「地域参画型の社会構造」の再認識、地域保健活動による地域行政住民双方参画型社会を目指したものですが、ここでのキーワードは「参画型社会」ということです。地域活性化においてこの「参画型社会」は大変重要なことであると思います。「参画型社会」は上記のような問題を解決することができると信じています。
私の行っている研究は確かに地域保健活動における参画型社会の実態ではありますが、これは応用可能で、さまざまな事業に使えるものであると考えています。
つまり、
夢で終わる研究など研究ではなく、社会貢献してはじめて研究といえるのではないか!!
ということです。