もう八月も終わり。再来月の日本民俗学会の年会が迫ってきたので、本腰挙げて研究に取り組まねばと思う限りです。
発表要旨はあとで提示しますね。前に提示したのから少し整理したものですが、まぁ大筋は変わっていません。
私が挑むのは、民俗学の生活変化の描き方が、物流や経済、社会状況を盾として変化を語ることに傾倒し、具体的な生活に負える人間的な動きとしてのそれを見ていないことです。
簡単に言えば上記のようなことなのですが、これを覆すにはそれなりに分析方法の変更や、地域視座と個人視座の交差点などかなり深いところまで突っ込まなくはいけません。ですが、そこまでの時間は発表では使えないので、とりあえず、上記のような「物流や経済、社会状況の変化=生活変化」という枠組みを見直すことから始めたいのです。
その事例には保健婦の手記と農婦の生活記録(手記)を用いて論じようと思います。生活を変えようとしたほけ婦側の主張と、それを受けて取り入れようとした住民側の主張、関係性の在り方を描いてみようと思います。まだまだ、分析が進んでおらず、また手記という媒体を扱うにあたっての諸注意などの懸念事項はいろいろあるのですが、それについては今後の研究において当たっていくとして、今回は純粋に、手記の内容分析、手記同士の接合点について考えながら、変化の受容を解き明かすということにしたいと思います。