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2010年5月3日月曜日

研究の方向性と奥行きの点検

 久々の投稿となります。大学の研究員になって二年目が始まりました。相変わらず、大学院の授業(民俗学)にもぐりこませていただいています。この授業はいつも人気があるのか?なぜか人が多いので不思議です。まぁそれは置いておいたとしても他分野の方々が集うので私としてはいろんな意見が聞けて面白い場となることを願っています。
 さて、今週の金曜日から個別発表がはじまるのですが、私にも当然順番が回ってくるのでそれなりの研究の進展や方向性、論の奥行きなどをチェックしなくてはいけません。毎日少しずつではありますが、論文が読めるようになってきたので(ここ最近は病気の症状もあってか論文から離れて生活していました)、ちょっと振り返りをしてみたいと思います。

 私の研究は「地域(住民)運動」からわかる地域生活の推移です。以前はこれとは違った言葉で表していたかと思いますが、「生活改善」もいわば「地域運動」にあたりますし、広い意味での社会における運動をターゲットとしています。でも広すぎるのではないかと思われるかもしれませんが、一応私の場合は地域社会という限定した空間内、時間内における地域運動の動きとそれに伴う変化を求めることが視点ですので、この場合の社会というのはある限定条件下における地域社会のことを指します。この研究における民俗学内での位置というものを考えてみたのですが、それ以前に民俗学での地域運動へのアプローチはあまり少ないように思います。民俗誌で村制の欄に地域社会の「組織」について触れられているところで記されることはあっても、それがどのように生じどのように活動したのかというものはありません。ですが、地域社会における生活の推移を追ううえで、地域の社会組織がいかに作用したかを見つめることはその生活を具体的に記すことにつながるのではないでしょうか。これは私見の限りでのものではありますが、皆さんもお気づきのことと存じます。
 さて、そうした中でこの研究をいかに具体的なものかに高めるためには、地域組織の動きもさながらそれに影響与えた事象についても触れなくてはなりません。例えば、地域の保健活動においてAという組織が立ち上がったとします。それにはBという行政のかかわりが重要となってくることが考えられますのでこのBの動向についても調べなくてはいけません。私の研究においてはAの部分の調査及び研究は進んでいました。しかしながら、Bつまり地域運動にかかわった側についての研究はまだできていないのが現状です。そこで、昨年よりこの地域運動にかかわった側の方々について調べることに成功しまして、現在それの整理中です。まぁ、今のところはこれぐらいですかね。今後発展があればこのブログで報告させていただきます。