いよいよ後四日と迫ってきた調査日。私も準備に大慌てです。ところで、質問力の時話した質問票ですが、なんとか第三者の協力を得てある程度いいものに仕上がりました。
そこで、次にしなくてはいけないことは質問前のあいさつ(調査趣旨も含めた)文の作成です。別段、紙ベースにしなくても記憶だけでいいんじゃないかと思われる方も多いはずです。しかしながら、相手は年配の方ばかり、こちらがちゃんと挨拶や調査の趣旨を説明しなければ、調査の協力も得られません。そこで、まずはきちっとした形であいさつ文を作成してみました。それも相手によって何通りにもなりますのでここで紹介するのは、調査の許可をいただく教育委員会宛てのあいさつ文とさせていただきます。
はじめまして。私、B大学の研究員をしております、Yと申します。この度は私の調査にご協力賜わりまして誠にありがとうございます。私は昭和30年代以降の千種町の地域生活の変遷過程において、地域住民や行政が行った健康増進政策ならびに「生活改善」の活動の実態とその受け入れについて研究しております。
この研究は従来あまり知られてこなかった宍粟市千種町の健康増進政策と地域住民の動きに焦点をあてることで、政策がどのように展開しどう理解されて受容されたのかを明らかにしていきます。これにより、今後の保健衛生事業や健康増進政策において、住民が行政に対し何を求め、それに行政がどう対応したらよいのかといった情報を提供することができます。
一方でデメリットもあります。調査過程において過去の保健衛生状態の悪化状況を調べることとなりますので、住民の方々の心情に対し不快感を与える可能性があります。しかしながら、私としては現在の安心に暮らせる保健衛生環境に行き着いた過程を具体的が大事だと考えております。住民の方々に「この活動によって千種町の衛生環境が整えられたんだ」と行政や地域住民自らの偉業を再認識していただければ本望です。特に住民団体「いずみ会」の業績は大変素晴らしいもので、その活動に対して誇りを持ってらっしゃる方も多いはずです。
最後になりますが、今後も当時の健康増進政策について詳細な調査を実行していきたいと存じますので何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
っとまぁこのような感じで教育委員会に趣旨説明を果たすつもりでいます。この文章でのポイントは、どういった趣旨で何をするのかといった基本的な情報に加え、相手方にどういった利益がこの研究にあるのかを提示し、且つそのメリット、デメリットについても詳しく載せている点です。この書き方は、企業の企画書のような書き方です。まずはじめに「やりたいこと」→次に「それをやるにはどういった利益があるのか」また「どういった障害があるのか」→「障害をなくすにはどうすればいいのか」といったような流れで企画書はできています。私はそのやり方を自分なりにアレンジして文章を作ってみました。これで相手が納得してくれればいいのですが、それは当日話してみてからのお楽しみというわけです。
ブログでの文書もそうですが、私は特にこうした文章の書き方に最近こだわってきています。自分の文章に対してもそうですが、他人の文章(本など)に対してもシビアな目線で見ている傾向にあります。やっぱり、ベストセラーとなる本にはそれなりの文章力があって、魅力があり引き付ける何かが備わっているものです。そのため、私の文章にもそうした魅力を盛り込めたらなと文章の練習に必死になっています。
2009年7月30日木曜日
質問表片手に
『1分で大切なことを伝える技術』『人を動かす質問力』の二冊を読み終えました。1週間で読み終えるなんて、私としては読書レコード更新なのですがね(笑)
さて、来月上旬に実際にフィールドに出て、聞き取り調査を始めるのですが、そのための資料作りを現在行っています。資料とは、こちら側(調査者側)の手控えで、聞き取りの際に聞く事柄が書かれた質問表のことです。この質問表は本当は用意せずに聞き取るほうがより自然に聞き取りができるのですが、私としては限定した質問をしたいので、当日あわてないためにもしっかりとした質問票を作成する必要性がありました。
ところが、この質問表というのは大変難しいもので、人を相手にするわけですから相手側に立った質問項目を用意しなくてはいけません。
8人いたら8人各々の質問事項があるわけで、その人物の置かれている環境、社会的地位、保持している情報(こちらが得たい情報)に応じて、質問を変えなくてはいけません。
大げさかもしれませんが、質問をするということは相手があっての話なので、こういった下準備をすることもフィールドワーカーとしての務めというものです。一応、もう出来上がってい入るのですが、その質問事項を見返してみると、「これを聞いたら気まずいな」とか「これはタブーでしょう」といった内容もちらほらあります。質問ができたといっても本人に会うまでは安心できません。内容も相当な神経を使って精査しなければならないのです。私の研究では、とある人物を主眼に置いているのですが、その人物の周辺の情報も得なければなりません。質問する時、とある人物のことだけを聞けばいいというものではなく、その人の周辺で活躍した人物にもスポットライトを当てるべきであって、質問もそのようにしなければなりません。質問もそうですが、質問前の自己紹介の折、研究についての説明をしますが、その中でも断りとして「この度は、A氏の足跡から健康増進政策ならびに運動について調べてまいりますが、ただA氏を取り上げるのではなく、A氏を取り巻く多くの視点から調査させていただきたいと思います」といった説明がいるでしょう。これも「1分」で考えなくてはいけないので、結構大変な作業を現在進めています。
『人を動かす質問力』にも書かれていましたが、
質問はある種魔術のようなもので、人の行動や感情を思いのままに操ることが可能です。
そうすると、悪い質問をすれば結果的に情報が手に入れられなかったり、話者に嫌われることも考えられます。そうしないためにも、日ごろのからの「質問力」を鍛え、良い方向へ導く質問を考えていくことも大事なことです。タブーに触れることもたまにはありますが、それをカバーするだけの質問力があれば何とかやってのける場合もあります。ただ、それだけではなく、質問をした後のことも考えながら、質問表は作るべきで、人間関係構築の延長上に質問があると考えてよいでしょう。
さて、来月上旬に実際にフィールドに出て、聞き取り調査を始めるのですが、そのための資料作りを現在行っています。資料とは、こちら側(調査者側)の手控えで、聞き取りの際に聞く事柄が書かれた質問表のことです。この質問表は本当は用意せずに聞き取るほうがより自然に聞き取りができるのですが、私としては限定した質問をしたいので、当日あわてないためにもしっかりとした質問票を作成する必要性がありました。
ところが、この質問表というのは大変難しいもので、人を相手にするわけですから相手側に立った質問項目を用意しなくてはいけません。
8人いたら8人各々の質問事項があるわけで、その人物の置かれている環境、社会的地位、保持している情報(こちらが得たい情報)に応じて、質問を変えなくてはいけません。
大げさかもしれませんが、質問をするということは相手があっての話なので、こういった下準備をすることもフィールドワーカーとしての務めというものです。一応、もう出来上がってい入るのですが、その質問事項を見返してみると、「これを聞いたら気まずいな」とか「これはタブーでしょう」といった内容もちらほらあります。質問ができたといっても本人に会うまでは安心できません。内容も相当な神経を使って精査しなければならないのです。私の研究では、とある人物を主眼に置いているのですが、その人物の周辺の情報も得なければなりません。質問する時、とある人物のことだけを聞けばいいというものではなく、その人の周辺で活躍した人物にもスポットライトを当てるべきであって、質問もそのようにしなければなりません。質問もそうですが、質問前の自己紹介の折、研究についての説明をしますが、その中でも断りとして「この度は、A氏の足跡から健康増進政策ならびに運動について調べてまいりますが、ただA氏を取り上げるのではなく、A氏を取り巻く多くの視点から調査させていただきたいと思います」といった説明がいるでしょう。これも「1分」で考えなくてはいけないので、結構大変な作業を現在進めています。
『人を動かす質問力』にも書かれていましたが、
質問はある種魔術のようなもので、人の行動や感情を思いのままに操ることが可能です。
そうすると、悪い質問をすれば結果的に情報が手に入れられなかったり、話者に嫌われることも考えられます。そうしないためにも、日ごろのからの「質問力」を鍛え、良い方向へ導く質問を考えていくことも大事なことです。タブーに触れることもたまにはありますが、それをカバーするだけの質問力があれば何とかやってのける場合もあります。ただ、それだけではなく、質問をした後のことも考えながら、質問表は作るべきで、人間関係構築の延長上に質問があると考えてよいでしょう。
2009年7月28日火曜日
研究のすすめ~1分道場~
昨今、ビジネス本で伝える技術がピックアップされているのをよく聞きます。これは研究でも同じで、研究論文や研究発表の場において、研究目的・調査過程・考察事項・結論などを明確に相手(研究を見てくれる人)に向けて発さなくてはなりません。
しかしながら、こうした内容は結構長々と話してしまうもので、要領を得ないと伝わりにくいものになりかねません。研究発表なら30分程度が主でしょう。その30分の間に上記の事項をわかりやすく、且つ論理的に説明しようというのです。発表慣れしている人は要領を得て話ができるかと思いますが、私のようにそれほど発表に慣れていない人間にとってはこれは結構ハードなものに思えます。
そこで、先ほど触れたビジネス本の登場です。私が購入したのは
齋藤孝氏の『1分で大切なことを伝える技術』(PHP新書)
という本です。この本は、「1分」の感覚であらゆるビジネス場面、日常のちょっとした場面において要領よく説明するテクニックがぎっしり詰まっています。これは研究にも応用できる内容です。1分間のうちにどのようなキーワードをどのように敷き詰めれば要領よく且つ簡略的に話を伝えられるかがわかるからです。研究のキーワードは大体3個から4個が常套でしょう。そうしたキーワードを漏らさず、1分という時間の上で話す必要性があります。なぜ話す必要性があるのかと申しますと、研究発表ははじめ研究趣旨と目的をはっきりさせ、聴衆に「ああこういうテーマで、この角度の視点からきりこんでいくのだな」と明確に打ち出さなければならないからです。また、内容に関しても1分では難しいですが、なるべくわかりやすい表現で且つ的を得たものを用意する必要性があり、それもまた時間との勝負となるわけです。最後に結論においても1分で前述の事柄をまとめ上げ、そのうえで自分の答え出す必要性があります。
こうしてみると、
研究発表というものは1分単位の時間感覚で要領よく話すべきであり、その方が聴衆に伝わりやすいものとなるでしょう。
その意味でも、1分間にどれほどのことを伝えられるかが重要となるのです。
私はこの訓練を、1分道場とたとえてをこれから毎日1週間続けてみます。なぜ今する必要性があるのか?それは来月研究調査でフィールドに出るのですが、その際話者や教育委員会に研究趣旨、調査趣旨などを話す必要があるからです。どちらも忙しい中、私の話を聞いてくださるので要領よく1分間にまとめて話してみたいと考えています。
そこでその内容について次は考えていかなくてはいけないのですがそれについては別のブログで紹介していますのでそちらをのぞいてみてください。(リンク欄から飛べます)
しかしながら、こうした内容は結構長々と話してしまうもので、要領を得ないと伝わりにくいものになりかねません。研究発表なら30分程度が主でしょう。その30分の間に上記の事項をわかりやすく、且つ論理的に説明しようというのです。発表慣れしている人は要領を得て話ができるかと思いますが、私のようにそれほど発表に慣れていない人間にとってはこれは結構ハードなものに思えます。
そこで、先ほど触れたビジネス本の登場です。私が購入したのは
齋藤孝氏の『1分で大切なことを伝える技術』(PHP新書)
という本です。この本は、「1分」の感覚であらゆるビジネス場面、日常のちょっとした場面において要領よく説明するテクニックがぎっしり詰まっています。これは研究にも応用できる内容です。1分間のうちにどのようなキーワードをどのように敷き詰めれば要領よく且つ簡略的に話を伝えられるかがわかるからです。研究のキーワードは大体3個から4個が常套でしょう。そうしたキーワードを漏らさず、1分という時間の上で話す必要性があります。なぜ話す必要性があるのかと申しますと、研究発表ははじめ研究趣旨と目的をはっきりさせ、聴衆に「ああこういうテーマで、この角度の視点からきりこんでいくのだな」と明確に打ち出さなければならないからです。また、内容に関しても1分では難しいですが、なるべくわかりやすい表現で且つ的を得たものを用意する必要性があり、それもまた時間との勝負となるわけです。最後に結論においても1分で前述の事柄をまとめ上げ、そのうえで自分の答え出す必要性があります。
こうしてみると、
研究発表というものは1分単位の時間感覚で要領よく話すべきであり、その方が聴衆に伝わりやすいものとなるでしょう。
その意味でも、1分間にどれほどのことを伝えられるかが重要となるのです。
私はこの訓練を、1分道場とたとえてをこれから毎日1週間続けてみます。なぜ今する必要性があるのか?それは来月研究調査でフィールドに出るのですが、その際話者や教育委員会に研究趣旨、調査趣旨などを話す必要があるからです。どちらも忙しい中、私の話を聞いてくださるので要領よく1分間にまとめて話してみたいと考えています。
そこでその内容について次は考えていかなくてはいけないのですがそれについては別のブログで紹介していますのでそちらをのぞいてみてください。(リンク欄から飛べます)
御京楓の自己紹介(おもに研究の)
皆さん、はじめまして!!
御京楓(みきょうかえで)です!!
京都在住でとある大学の研究員をやっています。
(まぁ、少しニートになりかけてますがね(笑))
私の研究は…
「地域生活の変遷過程における外的機関(「生活改善」団体)の実態と住民の受容」です。
詳しく言えば、昭和30年代から50年代にかけての生活の移り変わりにおいて影響を与えた、行政ないし住民団体による「生活改善」(名前のままですが、「生活の合理化、近代化を目指した活動および運動のこと)活動の実態と地域住民のそれらの活動に対する対応および受容過程を地域の目線から調査研究しております。
この研究は地域社会での「生活改善」の実態を探るとともに、地域社会がいかにして生活問題に目を向けていったのかを明らかにし、これから先の未来において地域社会が地域生活をどう見据えていったらよいのかを提示するものです。
(今のところは明らかにすることで精一杯なので、未来については今後考えていくべき課題としています)
現在は兵庫県宍粟市千種町で昭和30年代以降に起こった
健康増進政策および運動(「生活改善」を含む)の実態と地域住民の受容過程
御京楓(みきょうかえで)です!!
京都在住でとある大学の研究員をやっています。
(まぁ、少しニートになりかけてますがね(笑))
私の研究は…
「地域生活の変遷過程における外的機関(「生活改善」団体)の実態と住民の受容」です。
詳しく言えば、昭和30年代から50年代にかけての生活の移り変わりにおいて影響を与えた、行政ないし住民団体による「生活改善」(名前のままですが、「生活の合理化、近代化を目指した活動および運動のこと)活動の実態と地域住民のそれらの活動に対する対応および受容過程を地域の目線から調査研究しております。
この研究は地域社会での「生活改善」の実態を探るとともに、地域社会がいかにして生活問題に目を向けていったのかを明らかにし、これから先の未来において地域社会が地域生活をどう見据えていったらよいのかを提示するものです。
(今のところは明らかにすることで精一杯なので、未来については今後考えていくべき課題としています)
現在は兵庫県宍粟市千種町で昭和30年代以降に起こった
健康増進政策および運動(「生活改善」を含む)の実態と地域住民の受容過程
を追っています。
さて、研究はそれぐらいにして、趣味はというと読書、アニメ鑑賞、映画鑑賞です。特にアニメ鑑賞だけは外せません(?)
研究にアニメ、そして…など何かとカオス的なブログになると思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
さて、研究はそれぐらいにして、趣味はというと読書、アニメ鑑賞、映画鑑賞です。特にアニメ鑑賞だけは外せません(?)
研究にアニメ、そして…など何かとカオス的なブログになると思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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