『1分で大切なことを伝える技術』『人を動かす質問力』の二冊を読み終えました。1週間で読み終えるなんて、私としては読書レコード更新なのですがね(笑)
さて、来月上旬に実際にフィールドに出て、聞き取り調査を始めるのですが、そのための資料作りを現在行っています。資料とは、こちら側(調査者側)の手控えで、聞き取りの際に聞く事柄が書かれた質問表のことです。この質問表は本当は用意せずに聞き取るほうがより自然に聞き取りができるのですが、私としては限定した質問をしたいので、当日あわてないためにもしっかりとした質問票を作成する必要性がありました。
ところが、この質問表というのは大変難しいもので、人を相手にするわけですから相手側に立った質問項目を用意しなくてはいけません。
8人いたら8人各々の質問事項があるわけで、その人物の置かれている環境、社会的地位、保持している情報(こちらが得たい情報)に応じて、質問を変えなくてはいけません。
大げさかもしれませんが、質問をするということは相手があっての話なので、こういった下準備をすることもフィールドワーカーとしての務めというものです。一応、もう出来上がってい入るのですが、その質問事項を見返してみると、「これを聞いたら気まずいな」とか「これはタブーでしょう」といった内容もちらほらあります。質問ができたといっても本人に会うまでは安心できません。内容も相当な神経を使って精査しなければならないのです。私の研究では、とある人物を主眼に置いているのですが、その人物の周辺の情報も得なければなりません。質問する時、とある人物のことだけを聞けばいいというものではなく、その人の周辺で活躍した人物にもスポットライトを当てるべきであって、質問もそのようにしなければなりません。質問もそうですが、質問前の自己紹介の折、研究についての説明をしますが、その中でも断りとして「この度は、A氏の足跡から健康増進政策ならびに運動について調べてまいりますが、ただA氏を取り上げるのではなく、A氏を取り巻く多くの視点から調査させていただきたいと思います」といった説明がいるでしょう。これも「1分」で考えなくてはいけないので、結構大変な作業を現在進めています。
『人を動かす質問力』にも書かれていましたが、
質問はある種魔術のようなもので、人の行動や感情を思いのままに操ることが可能です。
そうすると、悪い質問をすれば結果的に情報が手に入れられなかったり、話者に嫌われることも考えられます。そうしないためにも、日ごろのからの「質問力」を鍛え、良い方向へ導く質問を考えていくことも大事なことです。タブーに触れることもたまにはありますが、それをカバーするだけの質問力があれば何とかやってのける場合もあります。ただ、それだけではなく、質問をした後のことも考えながら、質問表は作るべきで、人間関係構築の延長上に質問があると考えてよいでしょう。
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